今を大切に

N様は住宅型有料老人ホームにご入居されていましたが、認知症の進行もあり、今後の生活を心配されたご家族が担当ケアマネジャーにご相談されたことから、私共にお声掛けいただきました。
N様は身の回りのことができる身体能力はあるのですが、なかなかお声掛けだけでは身の回りのことをご自身で行うことができなくなってしまったことで、ご家族はより目の届きやすい施設をお考えになられていました。
当初、担当ケアマネジャーからはグループホームがいいのではないかとのお話があったのですが、実際に見学を進める中で、ご家族は施設の雰囲気や、長くお付き合いのあるケアマネジャーが変更になることを気にされているご様子でした。
その後も、現在のケアマネジャーが継続できる少人数制の施設をいくつか見学されましたが、「ここだ」と思える決め手がなく、時間だけが過ぎていきました。
私たちはご家族のお話や想いを丁寧に伺う中で、改めて「N様にはこの施設が最も合っているのではないか」と感じる施設をご提案し、見学していただきました。
その施設は、現在のケアマネジャーが継続して担当できることに加え、少人数で認知症ケアにも力を入れたアットホームな施設でした。「ここが今のお母さんに一番合っていると思う。」――ご家族の気持ちが固まりました。
ご相談からご入居まで約8か月。ご家族が中心となって準備を進められたことで、無事に新しい生活をスタートすることができました。
もともとご入居されていた施設は、お元気な方が多く活気のある施設でした。ご入居当時は、ご本人にとって最適な環境だったとご家族も振り返られています。
しかし、高齢者の心身の状態は日々変化することが多く、「今」のご状態に合った住まい選びが大切だと私たちは考えます。
施設入居は「終の棲家探し」と考えられてきたこともありますが、近年は施設の多様化が進み、それぞれが特色や強みを持つ時代になりました。
だからこそ、今の一人ひとりに合った施設が必ずあると私たちは考えています。将来を見据えることは大事かもしれません。ですが、限られた時間の中で「今」を大切にすることも、時には必要ではないでしょうか。
私たちはこれからも、ご本人とご家族が安心して過ごせる場所を一緒に探し続けてまいります。





