M様の場合

80代のМ様は、ご長男様ご夫婦と20年以上同居をされていましたが、5年程前から認知症の進行で物取られ妄想の症状が出始め、ご長男様のお嫁様に対する口調がきつくなり、M様とお嫁様との間に徐々に溝が生まれ、結局同居を解消する事になってしまいました。
その後、娘様との生活を開始されましたが、お互いに慣れない同居に加え、親子という最も近い関係のため喧嘩に
なることが多く、このままの生活を続けることは難しいとM様とご家族様がケアマネジャー様に相談され、ケアマネジャー様のご紹介で私どもにご連絡を下さいました。
年金が少なく施設の費用が年金だけでは賄えない為、「予算を優先するなら、施設の場所は多少遠くなっても仕方ないと覚悟している」とご家族様はおっしゃっていましたが、M様とご家族様の関係性修復のためにも、できるだけご家族様がM様に会いに行きやすい距離の施設が望ましいと考えました。
ご家族様は車を利用されないとのことだったため、電車で行きやすく、かつ予算に収まる施設をご提案させて頂きました。その中でもご自宅から近い施設にご入居されることになりました。
M様は施設にご入居されてからは、沈んでいた気持ちも明るくなり、施設内でもお友達ができてとても楽しそうに過ごされています。
ご家族様もM様とこれまでと違う良い関係で新しい生活をスタートできているそうです。
一時的に関係が悪くなってはいたものの、お互いを思い合う気持ちはしっかりと持っておられる家族関係だっため、入居する事で物理的にも、心理的にも一定の距離が保たれ、関係性が修復されたのではと思います。
切羽つまった時には本来大切にしていた思いを見失ってしまう時があります。
そんな時にご本人様、ご家族様の気持ちの奥にある真実の思いに気付きご提案させて頂く事が必要だと考えます。
ご本人様、ご家族様の気持ちに寄り添い、どちらにとっても良い選択ができる様に私たちはサポートさせて頂きます。