ご夫婦の安心のかたち~ゆっくり進めた施設入居までの歩み~

高齢のご夫婦が、これからの暮らしに不安なく、安心して過ごせる住まいを見つけるまでの取り組みをご紹介します。
奥様は糖尿病のためインスリン注射が必要で、日々の食事管理や生活支援、注射のサポートを長年ご主人様が担ってこられました。
しかし、お二人とも年齢を重ねる中で、ご主人様の負担は少しずつ大きくなり、「このままの生活を続けていけるだろうか」という不安からご相談をいただきました。
当初は、施設入居に対してご夫婦ともに強い不安を感じておられました。
そのため、看護師が常駐していること、安心して話を聞いてもらえる環境であること、そしてご主人様が無理なく面会に通える場所であることを大切にしながら、施設見学を進めていきました。
見学を通して奥様は安心感を持たれましたが、一方でご主人様には「継続して面会に通えるだろうか」という不安が残り、すぐに入居を決断することはありませんでした。その後、奥様は体調不良により入院を経験されました。
退院後、ご夫婦とケアマネジャーで何度も話し合いを重ね、「これからも安心して生活していきたい」という思いが強まり、施設入居へ向けて再び歩みを進めていくこととなりました。
支援の中で大切にしたのは、「急いで環境を変えること」ではなく、「安心して前に進めること」でした。ご自宅への訪問を重ねながら、改めてこれまでの暮らしや不安なお気持ちを丁寧にお聞きすることに専念しました。
その後、ご自宅から通いやすい施設が2箇所見つかりました。どちらも24時間看護師対応が可能な施設で、一方は動物とふれあえる環境があり、もう一方はレクリエーションや交流の機会が充実している施設でした。
最終的には、「これまで犬を飼っていた思い出があること」と「ご主人様が無理なく通えること」が決め手となり、動物とふれあえる施設を選ばれました。
入居準備では、必要なことを一つずつ紙に書き出し、ご夫婦のペースに合わせながら進めていきました。また、息子様ご夫婦の協力も得られ、ご家族皆様で支え合いながら、無事に入居の日を迎えることができました。
入居後は、ご主人様も安心して面会に通われ、奥様も新しい環境の中で穏やかな時間を過ごされるようになりました。ご夫婦それぞれが安心できる場所を見つけられたことで、これまでとは違った新しい日常が少しずつ始まっています。
今回の支援を通して改めて感じたのは、環境を変える「早さ」ではなく、ご本人様やご家族様が「安心して進められること」が何より大切だということです。
これからも、一人ひとりの想いや生活背景に寄り添いながら、その方らしい暮らしと、安心して過ごせる未来を支えていきたいと思います。





